アリセプトについて たしかめてください、患者さんの「認知機能」

アリセプトのすべて

第Ⅱ章 作用機序と適応疾患

アリセプトの作用機序について教えてください。

アリセプトの作用機序はアセチルコリンエステラーゼの選択的阻害です。

アルツハイマー型認知症の基本障害は、アセチルコリン濃度の減少にあります。アセチルコリンエステラーゼ(AChE)は神経伝達物質であるアセチルコリンを分解し、失活させる酵素です。アリセプトはこの酵素を選択的に阻害することにより、アセチルコリンの分解を防ぎ、シナプス間隙に遊離されたアセチルコリン濃度を高めることによってコリン作動性神経を賦活し、アルツハイマー型認知症における認知機能障害の進行を抑制します。

 コリン作動性神経の神経伝達

 アリセプト投与時の神経伝達

参考:アリセプトのAChE阻害作用(ラット)

アリセプトのAChE阻害作用は、動物実験において確認されています。

ラット脳内におけるAChE阻害作用を検討したところ、ドネペジル塩酸塩0.625mg/kg(経口投与)以上において用量依存的にラットの脳内AchE活性を有意に阻害しました2)

また、AChE阻害剤が薬理作用を発現するためには、神経伝達に直接関与するシナプス間隙のアセチルコリン量を増加させることが重要ですが、ドネペジル塩酸塩は用量依存的に、ラット海馬の細胞外アセチルコリンを増加させることが分かっています(下図)3)

ラット海馬細胞外アセチルコリン量に対するドネペジル塩酸塩の増加作用

方法:

ラットの海馬をマイクロダイアリシス法により灌流した灌流液中のアセチルコリンを高速液体クロマトグラフィー・電気化学検出器にて測定した。

1)Whitehouse, P.J. et al.:Science, 215, 1237-9(1982)

2)山西嘉晴ら:薬理と治療, 26(Suppl.6), S1283-94(1998)[ART-0012]

3)小笹貴史ら:薬理と治療, 26(Suppl.6), S1303-11(1998)[ART-0014]

※コリン仮説

1982年にWhitehouseらがアルツハイマー型認知症患者の脳では、大脳皮質コリン神経の起始核であるMeynert核で大型神経細胞の脱落が顕著であることを報告し1)、脳内コリン作動性神経の機能低下そのものが最も本質的な病態であるとする「コリン仮説」が唱えられるようになった。

※マイクロダイアリシス法

細胞外液中の神経伝達物質量を神経化学的に測定する方法。脳に微小透析管(プローブ)を植え込み、その中を人工脊髄液で灌流することにより、脳から灌流液中にもれ出す神経伝達物質を回収する方法。

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