アリセプトについて たしかめてください、患者さんの「認知機能」

アリセプトのすべて

第Ⅱ章 作用機序と適応疾患

アリセプト3mg投与で効果がみられたら、そのまま3mg投与を継続してもよいですか?

3mg/日投与は有効用量ではありません。軽度・中等度アルツハイマー型認知症に対する有効用量は5mg/日、レビー小体型認知症に対する有効用量は10mg/日ですので、用法 ・用量通り、増量をお願いいたします。

アリセプト3mg/日投与は消化器系副作用の発現を抑える目的で設定されています。そのため、原則として1〜2週間を超えて使用しないようお願いいたします。

軽度・中等度のアルツハイマー型認知症患者様を対象とした国内後期第Ⅱ相試験の層別解析において、認知機能の変化についてはアリセプト3mg/日群とプラセボ群との間では、差が認められませんでした1)。したがって、軽度・中等度アルツハイマー型認知症患者様に対しては、アリセプト3mg/日から開始し、原則として1〜2週間後に5mg/日へ増量していただくようお願いいたします。

レビー小体型認知症患者様を対象とした国内第U相試験では、3mg/日群ではほぼ全ての有効性評価指標で5mg、10mgを下回っていました。また、国内第U相・第V相の両試験のMMSE評価でプラセボに対する優越性が示されたのは10mgのみであったため、レビー小体型認知症に対する有効用量が10mgと設定されました。用法・用量どおりのご使用をお願いいたします。

アリセプト5mgと3mg投与時のADAS-Jcogの経時変化

【試験概要】

対象:

軽度・中等度のアルツハイマー型認知症患者190例

方法:

アリセプト3mg、5mgまたはプラセボを1日1回12週間経口投与。投与前のADAS-Jcogが15点以上の症例を解析し、用量反応性を検討した。

評価項目:

ADAS- Jcog、MENFIS、CDR、家族または介護者の印象(Crichton行動評価尺度)、有害事象

副作用:

アリセプト3mg群で64例中4例(6.3%)、アリセプト5mg群で64例中12例(18.8%)、プラセボ群で59例中4例(6.8%)に認められた。主な副作用は3mg群では嘔気・嘔吐、不穏、失見当識、徘徊、頭痛、ふらつきが各1例(0.5%)ずつ認められた。5mg群では嘔気・嘔吐6例(9.3%)、食欲不振2例(1.1%)、興奮2例(1.1%)、眠気2例(1.1%)が認められた。プラセボ群では、嘔吐、眠気、易怒性、性格変化、めまい、一過性脳虚血発作、倦怠感が各1例(0.5%)認められた。

ADAS-Jcog(Alzheimer's Disease Assessment Scale‐cognitive component-Japanese version)

MMSEの平均変化量

【試験概要:国内第U相プラセボ対照二重盲検比較試験】

対象:

レビー小体型認知症患者140例

方法:

アリセプト3mg、5mg、10mgまたはプラセボのいずれかを1日1回12週間経口投与した。なお、3mg群は3mg/日、5mg群は最初の2週間は3mgを投与し、その後5mgへ増量した。10mg群は最初の2週間は3mgを投与し、その後4週間は5mg、さらにその後10mgへ増量した。

評価項目:

MMSE、NPI-2、CIBIC plus、安全性 等

有害事象:

プラセボ群34例中24例(70.6%)、3mg群35例中24例(68.6%)、5mg群33例中27例(81.8%)、10mg群37例中32例(86.5%)に有害事象が認められた。もっとも高頻度で報告されたのはクレアチニンキナーゼ値増加であり、プラセボ群5.9%、3mg群14.3%、5mg群9.1%、10mg群13.5%であった。その他、下痢、吐き気、腹部不快感が報告された。

Mori, E. et al.: Ann. Neurol., 72(1), 41-52(2012)[ART-2536] 承認時評価資料

MMSEの平均変化量 [主要評価項目]

【試験概要:国内第V相プラセボ対照二重盲検比較試験】

対象:

レビー小体型認知症患者142例

方法:

アリセプト5mg、10mgまたはプラセボのいずれかを1日1回12週間経口投与した。なお、5mg群は最初の2週間は3mgを投与し、その後5mgへ増量した。10mg群は最初の2週間は3mgを投与し、その後4週間は5mg、さらにその後10mgへ増量した。

評価項目:

主要評価項目 MMSE、 NPI-2

副次評価項目 NPI-10、NPI個別項目、Zarit介護者負担尺度、NPI-D

副作用:

プラセボ群46例中11例(23.9%)、5mg群47例中12例(25.5%)、10mg群49例中14例(28.6%)に認められた。主な副作用はパーキンソニズムであり、プラセボ群2例(4.3%)、5mg群2例(4.3%)、10mg群4例(8.2%)であった。

Ikeda, M. et al.: Alzheimers Res. Ther., 7. 4, 1-10(2015)[ART-2877] 承認時評価資料

参考:1日1回3mgから開始するよう定められている理由

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤による末梢でのムスカリン様の副作用(消化器系症状)は、漸増投与によりある程度抑えられることが知られています2)

実際、国内後期第Ⅱ相試験において最初から5mgを投与した場合、消化器系症状の発現率は12.5%であり、プラセボ群の1.7%に比較して、その発現頻度は約7.4倍高いものでした1)

一方、国内第Ⅲ相試験では3mgを1週間投与した後に5mgに増量したところ、消化器系症状の発現率は5mg群14.7%、プラセボ群8.4%であり、発現頻度は約1.8倍と抑えられました3)

これらの結果から、アリセプト1日1回3mgから開始するように定められました。

国内臨床試験における消化器症状の発現頻度(因果関係なしを含む)

1)本間昭ら:臨床評価, 26, 251-84(1998)[ART-0039]より作成

2)Taylor, P.:グッドマン・ギルマン薬理書 第8版, 廣川書店(1992)[ART-A035]

3)3)Homma, A. et al.:Dement. Geriatr. Cogn. Disord., 11, 299(2000)[ART‐0247]

※ CDLBガイドライン臨床診断基準に合致するprobable DLB患者

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