アリセプトについて たしかめてください、患者さんの「認知機能」

アリセプトのすべて

第Ⅵ章 特殊患者への投与

アリセプトは透析中の患者様にも投与することができますか?

透析中の患者様は「慎重投与」には該当しませんが、アリセプトは腎排泄型であるのでご注意ください。なお、血液透析が必要な末期腎不全患者様に対する製造販売後臨床試験がなされ、以下のように報告されています。

血液透析を受けている末期腎不全患者様を対象とした薬物動態試験において、透析時及び非透析時の平均血漿中ドネペジル塩酸塩濃度は、濃度推移及び薬物動態パラメータのいずれもが類似しており、大きな差はみられませんでした。

透析日及び非透析日の平均血漿中アリセプト濃度推移の線形表示

【試験概要】

対象:

血液透析を受けている末期腎不全患者6例

方法:

アリセプトD錠3mgを透析時及び非透析時に投与した際の薬物動態を比較する2期非盲検クロスオーバー法。

アリセプトD錠3mgを朝食開始30分後に1錠を50mLの水とともに投与した。投与はⅠ期とⅡ期の各1回ずつの計2回で、各期の間の休薬期間は15日以上とした。

有害事象:

透析日投与で3例(50.0%)4件、非透析日投与で3例(50.0%)7件に認められたが、いずれも「軽度」であった。有害事象のうちアリセプトとの因果関係が否定できないものは、嘔吐1例(16.7%)2件(透析日投与と非透析日投与の各1件)、AST(GOT)の上昇1例(16.7%)1件(非透析日投与)に認められた。

1)石上 裕剛ら:腎と透析, 71, 144-51(2011)[ART-2357]

腎障害患者様では健康成人と比べて、アリセプト単回投与時の薬物動態に有意差は認められませんでした2)

国内においてアリセプトを透析中の患者様に投与した症例のデータを下に紹介します3)、4)

●70歳代、男性3)

アリセプト3mg/日を投与して透析施行日、非透析日の血漿中濃度を測定したところ、11.1〜18.2ng/mLであった。アリセプト投与1時間後に透析を行った際、透析中に血漿中濃度が急上昇した。投与5時間後に透析を行うようにしたところ、血漿中濃度の異常上昇はなくなった。アリセプトの血漿中トラフ濃度は投与1、2、3ヵ月目で各々12.4ng/mL、11.1ng/mL、10.9ng/mLであった。

●70歳代、男性4)

アリセプト3mg/日から開始し、アリセプトの血中濃度を定期的に服薬3時間後(透析前)、5時間後(透析開始2時間後)、7時間後(透析終了時)に測定したところ、服薬3時間後の血中濃度は投与1日目2.7ng/mL、2週後17.7ng/mLで、認知症の程度に明らかな改善はみられず、この後に5mg/日に増量した。

増量後に透析日の服薬3時間後血中濃度を測定したところ、増量1週後37.0ng/mL、2週後45.3ng/mL、2ヵ月後48.7ng/mL、6ヵ月後45.8ng/mLであり、非透析日の血中濃度48.4ng/mLとほぼ同様であった。増量後2週間目以降の血中濃度は安定し、6ヵ月間内服後も血中濃度の上昇は認められず、副作用も認めなかった。

2)Tiseo, P.J. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 46(S1), 56-60(1998)[ART-0033]

3)Suwata, J. et al.:Nephron, 91, 330-2(2002)[ART-0680]

4)合田朋仁ら:腎と透析, 63, 923-6(2007)[ART-1619](学会抄録ART-1303)

ページトップへ

第Ⅵ章 特殊患者への投与ページをご覧の皆様へ

エーザイのアルツハイマー型、レビー小体型認知症治療薬「アリセプト」のサイトです。
アルツハイマー型、レビー小体型認知症の患者様とそのご家族を支え、コミュニケーションをサポートするツールも掲載しています。