アリセプトについて たしかめてください、患者さんの「認知機能」

アリセプトのすべて

第Ⅶ章 注意すべき副作用とその対処法

アリセプトによって消化器症状が現れる機序とその対処法について教えてください。

嘔気、嘔吐、食欲減退などの消化器症状は、アリセプトのコリンエステラーゼ阻害作用により、アセチルコリンの2種類の受容体のうち末梢のムスカリン受容体へのアセチルコリン作用が増強したために発現すると考えられます。

対処法は患者様によって異なりますが、腸疾患治療薬の併用やアリセプトの一時的な減量または休薬によって消失する場合があります。

消化器系の副作用として、食欲減退が111例/4429例(2.51%)、嘔吐が53例/4429例(1.20%)報告されています(軽度・中等度・高度のアルツハイマー型認知症承認時及び再審査終了時、レビー小体型認知症承認時)。

アリセプトによる消化器症状は、多くが投与初期に発現します。消化器症状は漸増投与によりある程度抑えられるので、アリセプト3mg/日を1〜2週間投与後、5mg/日へ増量するよう設定されています。そして高度のアルツハイマー型認知症患者様の場合には、5mg/日を4週間以上投与後、10mg/日へ増量します。

対処法は患者様によって異なりますが、消化器症状がごく軽微な場合には、経過観察のみで症状が軽減し、継続投与が可能なことがあります。また、腸疾患治療薬との併用が有用な場合もあります。あまりにも症状が重篤な場合には、アリセプトの一時的な減量や休薬をご検討ください。

1)丸木雄一:老年精神医学雑誌, 21, 1315-21(2010)

効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意、効能・効果に関連する使用上の注意、用法・用量に関連する使用上の注意についてはDIをご参照ください。

アリセプトの副作用への対応症例

アリセプトの投与時、増量時に出現する消化器の副作用に対する方法として、2症例提示した。1例目は、10mg増量後に大便失禁を呈したため、乳酸菌整腸剤の併用を行うことで継続服用することができた。

10mgに増量したが、消化器系の副作用発現はなく継続服用している。なお、両症例ではご家族との相談の上、整腸剤、制吐剤を継続処方している。

アリセプトを処方する際には、消化器系の副作用が出た場合「すぐに連絡をしてください」とお伝えし、整腸剤、制吐剤の一時的な併用にて対処可能であることを本人、家族に十分説明しておけば順調に内服継続できることを、私は経験している。

埼玉精神神経センター センター長 丸木雄一

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