アリセプトについて たしかめてください、患者さんの「認知機能」

アリセプトのすべて

第Ⅶ章 注意すべき副作用とその対処法

アリセプト過量服用時の対処について教えてください。

アリセプトの過量服用により、コリン作動性の末梢または中枢神経刺激に起因する副作用が発現するおそれがあります。

過量服用時には、アトロピン硫酸塩水和物(3級アミン系抗コリン剤)を解毒剤として使用します。アトロピン硫酸塩水和物1.0〜2.0mgを初期投与量として静注してください。

 徴候・症状

コリンエステラーゼ阻害剤の過量投与は高度な嘔気、嘔吐、流涎、発汗、徐脈、低血圧、呼吸抑制、虚脱及び痙攣などのコリン系副作用を引き起こす可能性があります。筋脱力の可能性もあり、呼吸筋の弛緩により死亡に至ることもあり得ます。

 処置

アトロピン硫酸塩水和物のような3級アミン系抗コリン剤が本剤の過量投与の解毒剤として使用できます。アトロピン硫酸塩水和物の1.0〜2.0mgを初期投与量として静注し、臨床反応に基づいてその後の用量を決めてください。

他のコリン作動薬では4級アンモニウム系抗コリン剤と併用した場合、血圧及び心拍数が不安定になることが報告されています。

アリセプトあるいはその代謝物が透析(血液透析、腹膜透析または血液濾過)により除去できるかどうかは不明です。

 国内における過量服用の症例報告1)

患者:

70歳代後半女性

経過:

患者が嘔吐。薬剤確認にて当日処方分のアリセプト5mg錠9錠がなくなっており、誤用が疑われた。

入院時現症・検査所見:

体温35.4℃、呼吸数20回/分、血圧160/80mmHg、心拍数40〜50/分台の洞性不整脈で、両側瞳孔の縮瞳、対光反射遅延、軽度呼吸障害を認める。

急性アリセプト中毒と診断、アトロピン硫酸塩0.5mgを静注。速やかに心拍数60〜70/分、洞調律となった。呼吸障害、嘔吐、縮瞳は持続したため、入院の上、アリセプトを休薬し、輸液(2L/日)とフロセミド5mgを静脈注射。

呼吸障害、嘔気・嘔吐、縮瞳は消失。

退院。血漿ドネペジル塩酸塩濃度は以下のように推移し、約4週間後の外来受診時には血中濃度は感度以下となったため、アリセプトを再開した。

血漿ドネペジル塩酸塩濃度

入院時(午前7時)

54.6ng/mL

同日午後8時

47.3ng/mL

翌日午後3時

40.0ng/mL

入院3日目午後5時

27.7ng/mL

入院4日目午後2時

18.1ng/mL

1)矢野英隆ら:臨床神経学, 43, 482-6(2003)[ART-0927]

ページトップへ

第Ⅶ章 注意すべき副作用とその対処法ページをご覧の皆様へ

エーザイのアルツハイマー型、レビー小体型認知症治療薬「アリセプト」のサイトです。
アルツハイマー型、レビー小体型認知症の患者様とそのご家族を支え、コミュニケーションをサポートするツールも掲載しています。