認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

私の描くDementia Support

グループ化による有機的連携によりあらゆるステージの認知症ケアに対応

施設内通貨「ゼヨ」の導入を決定 認知症患者の活動意欲向上を期待

 前出の各施設における特色ある取り組みに加えて、同グループでは内田脳神経外科が中心となり、地域の認知症患者・家族に対して『認知症のおはなしと相談』と題したセミナーを毎月開催し、テーマ毎に医師や看護師、MSW、ケアマネジャーらが講師を務める。

 開院以来欠かさず、月に1度開催する『すこやか塾』という健康教室でも認知症をテーマに取り上げることが多く、内田氏はこうした地域住民への啓発活動にも熱心だ。これらの活動では常に、認知症ケアの要諦として、竹内孝仁国際医療福祉大学大学院教授が提唱する(1)ミズ(水分) (2)メシ(食事) (3)クソ(便秘にならない) (4)運動 (5)外出 (6)趣味 (7)仲間──の7項目を、普段からしっかりと守るようアドバイスする。

外来診察をする内田氏。
“環境の持つチカラ”が患者に元気を与える

グループの福祉・介護部門を統括する総合福祉施設ヘリオス施設長・久市徹氏

ケアハウス「あじさいの里」施設長で、生活相談員の高井靖氏は「医療との連携が強み」と話す

 内田氏は「認知症はとにかく早く見つけて、早期から対処することによって、回復や進行を止めることが可能になります」と前置きし、「セミナーに家族が参加することで、家族の対応の仕方が間違っているのが見つかることも多々あって、私たち医療従事者も早めに手を打つことができます」と指摘する。さらに内田氏は「医療従事者は認知症に“ならない”、“させない”ことへの確信を強くもつことが、まず何よりも大切」との考え方を示し、「施設ケアや家族介護の現場でスタッフや家族は、認知症のお年寄りにいろんな選択肢を与えてあげることが重要で、頭を使うことが脳の活性化につながります」と強調する。

 内田氏は山口市にある「夢のみずうみ村山口デイサービスセンター」で、村内だけで流通させる村内通貨「YUME(ユーメ)」を導入し、高齢者が通貨を使用することでリハビリ効果につなげているのを知り、“目からウロコが落ちる”思いがしたという。同村では脳卒中で障害をもつ方も数多く通っているが、決まった団体行動はなく、「1日何をするのか?」を高齢者自身が選択する。利用者は村内通貨を使って、ルーレットや花札、パチンコ等の娯楽に興じることもできる。お年寄りの自主性を尊重した個性的なサービスは、各方面から注目を集めている。そうした活動を参考にして、まず(医)恕泉会のデイサービスやデイケアで、「ゼヨ」という施設内通貨を導入することを決めた。

 「お年寄りが1ヵ月間休まずにデイサービスに来た場合や目標が達成できたら500ゼヨ支給します。逆にデイサービスセンターのコーヒーを飲んだときには、“10ゼヨ払うぜよ!”という形で、通貨のやり取りを始めました」(内田氏)

 お年寄りは周囲から何かを「してもらう」のに慣れてきたが、逆に本人が「何らかの活動をして」、「何らかの糧を得る」ことが、お年寄りの生きがいや喜びにつながるとの発想だ。認知症高齢者が施設内通貨を自分で稼いだり使ったりすることで、自らの存在意義を確かめ、精神機能や活動意欲を活発化させる試みともいえる。

 内田氏の認知症ケアに寄せる情熱は尽きない。

29名の入居定員で3棟の小規模ユニットが特徴だ。木造に魅かれて入居を希望する人も少なくない

「あじさいの里」はオール個室。ホテルのスイートルーム並みのスペースが確保されている

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