認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

地域連携ルポ

認知症予防のできる町をつくる

告知チラシを手渡しし、開催会場を増やす

 琴浦町の取り組みがどのような変化をたどってきたかを見てみよう。

 04年に東伯町と赤碕町が合併して琴浦町となったことから、初年度は東伯地区、05年度は赤碕地区、以降、交互にひらめき教室を開催することにした。

 初年度は、教室開催の告知チラシは老人クラブを通じて各戸に配るようにしたが、05年度は事前に老人クラブの地区会長や民生委員、公民館長などを集めて説明会を開き同教室の意義をきちんと理解してもらい、チラシを『今度いい会があるからぜひ参加してね』と声掛けをして手渡ししてもらうようにした。これが功を奏したのか、初年度の受診率は20%だったが、05年度は23%に増えた(表1)。

 この方法はその後も継続されたが、3年、4年と続けていくうちに受診率が落ちてきた。そこで、藤原氏はなぜ受診しないのか全町民にアンケートを実施。その結果、健診を受けたいけれども会場が遠くて行けない高齢者が多数いることが明らかになった。それならば自分たちが地域に入っていくしかないと、08年度からは実施会場を倍増させた。

 また当初しばらくは、2次検査の該当者に後日、個別に受診勧奨のチラシを届けていたが、近所の噂にのぼるとの声が出ていたため、10年度は「心配ありません」と書かれたチラシと「もう一度詳しい検査をさせてください」という2種類を用意し、全員にその場でチラシを手渡すことにした。

 さらに昨年度は、大きな変更が断行された。ひらめき教室の受診率が増えた割には、ほほえみの会の参加者はあまり増えてこなかった。その理由を調べてみると、「ミニデイに行っているからいい」という声が多かった。ミニデイサービスはもともと健康な高齢者のために用意されたものである。そこで行われるプログラムは当然、認知症予防を意識したものではない。それ以上に藤原氏らが問題視したのは、ミニデイに通っている人たちの中から認知症の人や予防対象者が見つかったことだった。そこでミニデイとほほえみの会を統合させ、認知症予防と転倒防止、閉じこもり予防を目的とした「介護予防教室はればれ」として再スタートさせることにした。それと同時に、ミニデイ、ほほえみの会はいずれも2週間に1回の開催だったのを1週間に1回にして外出の機会を増やした。また、ほほえみの会は6ヵ月を一区切りとし、TDASの結果が改善した人は卒業となっていたが、介護予防教室はればれは介護保険を申請するまでは参加できるようにした。参加者の中には、「知り合いのいないデイサービスには行きたくない。申請しなくてもいいように、ここでできるだけ頑張る」と話す人もいるという。

ひらめきはつらつ教室では必ずミニ講演が行われる

講演後はタッチパネル式コンピュータを使ってスクリーニング。検査時間は4分程度

書写や計算などにも熱心に取り組む介護予防教室はればれの参加者

 06年地域包括支援センターが立ち上がった。これを機に、ほほえみの会の運営を1民間事業所に委託した。さらに、介護予防教室はればれに変更となってからは4ヵ所の事業所が受け持つようになった。現在、事業所の担当者が毎月集まって教材の検討を行っている。これまでの主な歩みを表2にまとめた

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