認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

座談会

─服薬管理という視点から─

認知症の人が安心して暮らすために

本人にとってより良い服薬方法を考えることが大切

「多くの人がそれぞれの立場で意見を出し合うことが大切だと思います」

大友路子(おおとも・みちこ)

社会福祉法人恩賜財団神奈川県済生会横浜市六浦地域ケアプラザ地域包括支援センター・社会福祉士

日本女子衛生短期大学卒業、歯科医院で歯科衛生士として勤務。1999年六浦地域ケアプラザに勤務、介護支援専門員を経て2006年より現職。

八森

事例の方は、今はとても落ち着かれているとのことですが、服薬は当初からきちんとされていたのですか。

大原

最初のころは2、3錠残っていたことがあって引き上げたこともありましたが、最近は「毎日飲んでいる」と本人は言っています。ただ、私は家の中には入れないので、確認できていません。大友さんから、糖尿病の薬が追加されるかもしれないという話を聞いているので、次回の受診時には私も同行して、かかりつけ医に一包化などの相談をしてこようかと思っています。

八森

かかりつけ医に本人の様子を話すと、処方が変わることもありますか。

大友

以前、ホームヘルパーさんが掃除をしようと利用者さん宅の押し入れを開けたら、飲み薬が山ほどたまっていたといったケースがありました。私たちは医師に服薬できていない状況を説明し、ホームヘルパーが朝晩入るケアプランを提示して1日3回から2回の服用ですむ薬に変更してもらいました。

八森

なるほど。医師は一般的に、患者さんはきちんと薬を飲んでいると思いがちですし、実際聞いてみるとそう答える患者さんがほとんどです。飲まないことも一つの選択肢ということを医師も再度認識することが大切なのかもしれません。また、「薬をきちんと飲むのは大変ですよね」といった聞き方をすると、患者さんも「そうなんです、実は私、飲んでいないんです」と言いやすいのですが。

大原

残薬などの情報は、本当はケアマネジャーから薬局に伝えてもらい、薬局から医師にフィードバックするのがいちばんよいのでしょうけど、実際にはあまり行われていないと思います。私はケアマネジャーと薬剤師の二役をやっているので、お薬手帳に「何錠残っているので次回の処方の調整をお願いしたい」と先生宛てに書くことがあります。

八森

処方の調整とともに、薬の飲み忘れを防ぐための工夫も必要だと思いますが、何か良いアイデアはありませんか。

青柳

軽度の認知症の人で、日時や曜日が表示されるデジタル時計を用意することで飲み忘れがなくなったケースは結構あります。認知症の利用者の多くは、カレンダーを見ても日にちや曜日を認識できなくなっているからです。

大原

ご家族がいる場合はまだ何とかなりますが、独居の方の服薬管理はとても難しいです。ケアマネジャーが毎日行くわけにはいきません。となると、いちばん現実的なのはホームヘルパーが介助することだと思います。ただ、ホームヘルパーの業務範囲に配剤が認められていません。薬が一包化されていれば大丈夫ですが。それと、飲み忘れしないことも大切ですが、認知症の人の場合、飲んだことを忘れて何度も飲まれることがあり、危険なので保管場所にも配慮しなければいけません。

八森

私たちは、薬を飲まないと大変なことになると思っていますが、多少飲み忘れても本人の状態に大きく影響しない薬もあります。認知症の人に無理強いし、QOLを低下させてまで飲ませなくてはいけない薬なのかという点も含めて、その人にベストな方法を皆で検討することが重要だと思います。また、認知症の人の7〜9割にBPSDが現れ、そのうち2〜3割が薬剤の副作用といわれています。特に新しい処方がされてからしばらくは、そのこともケアスタッフは頭に入れて生活状態を観察しておく必要があります。

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