認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

座談会

─服薬管理という視点から─

認知症の人が安心して暮らすために

ケアの真の目的はその人の生活を支えること

「自分の住む地域にかかりつけ薬局をもっていただけると有難いです」

大原裕子(おおはら・ゆうこ)

おおはら薬局・薬剤師、金沢居宅支援センター・非常勤介護支援専門員

東京薬科大学薬学部卒業。1984年おおはらどらっぐを開局、後におおはら薬局として移店。金沢居宅支援センターを立ち上げ、非常勤介護支援専門員として勤務。学校薬剤師、区介護保険審査会に所属。

八森

薬の専門家である薬剤師の立場として、患者さんに望むことはありますか。

大原

服薬や病気の履歴の情報を記載されるお薬手帳を1冊持ち、受診時には必ず持参してほしいと思います。そのお薬手帳にケアマネジャーの名前を書いておくとよいでしょう。そうすれば、何か変だなと思ったときに薬局からケアマネジャーに連絡できます。それから、できればご自分の住まいの近くにかかりつけ薬局をもつことをお勧めします。その方の生活を知っている薬局の薬剤師であれば、より適切なアドバイスや対処ができます。

八森

薬剤師が、認知症の方の特性や生活状態をみることの重要性や訪問の仕方などについて勉強できる仕組みがあるといいですね。

大原

居宅に行った薬剤師が介護保険証をご本人の了解のみで捜して、あとで家族から家捜ししたとクレームが来たという話を聞いたことがあります。おそらくその薬剤師は本人に捜すことを断ったから大丈夫と思ったのでしょうが、認知症の人はもの忘れをするということを認識していたら、トラブルにはならなかったかもしれません。

八森

医師は患者さんのことがとても心配です。でも、自分から訪問するわけにはいかないことも多い。訪問するにしても最初にケアマネジャーと一緒に行くと本人の抵抗も少なく、状況も把握しやすいことがあります。薬剤師も、心配な患者さんがいるときは、ケアマネジャーに声を掛けたらどうでしょう。認知症の人の生活を実際に知ることで、していいこと、しないほうがいいこと、ケアマネジャーに連絡をしたほうがいい場合などの判断がつきやすくなると思います。それと、残薬を見つけたら、ケアマネジャーがそれを薬局に持っていくのもいいのではないでしょうか。

大原

大賛成です。残薬は自分たちで処分しないでぜひ薬局に持ってきてください。それに、薬剤師が残薬を目の当たりすれば、自分たちがどのように患者さんに接すればいいかを考えることができます。

青柳

服薬管理はケアプラン上で重要な要素です。私たちの仕事の目的は、利用者さんに住み慣れた家で1日でも長く生活できるように支援することです。それには、薬をちゃんと飲んで病状を安定させることが欠かせません。

八森

今の視点はとても重要だと思います。ケアマネジャーの仕事の最終目的はケアプランを立てることではないし、薬剤師は薬を患者さんに渡すことが目的ではありません。医師も、薬を処方することかが目的ではない。それらはいわば手段であって、真の目的はその人の生活を支えることにあります。服薬も、まずは、きちんと飲めるような環境を整えていくことを目指すべきだと思います。実際に服薬管理をすることで、本人が安心して暮らせるようになったというケースはありますか。

大原

不安神経症の方で、服薬が必要なので毎日夕方ホームヘルパーを入れるようにしました。服薬だけでなく、食事を作って食べていただくプランにしたら、栄養状態もよくなり、生活環境もよくなってきて、随分元気になりました。

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