認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

認知症の人を支援するケアマネジメント

変化に対応しながら長期の在宅生活をチームで支える

考察(1/2)

 認知症高齢者の支援にあたっては、あくまでも本人を中心にした支援であることを忘れてはならない。本人が何も言えない状態では、代弁者である家族の思いやニーズも大切にし、まずは、基本的な体調を安定させることが、在宅生活を長く継続する基本である。

 今後も年齢を重ねる中でさまざまなリスクが出現すると思われる。サービス担当者それぞれが、リスクに対応した支援を工夫し、適宜変更することが大事である。同時に、それぞれの事業者がもっている情報を共有し、連絡・報告を密にすることが大事であり、そうしたチームケアの力を高めるためにも、ケアマネジャーは要として、まとめや調整役をしっかり果たしていかなければならない。

主治医からのコメント 変化する症状への早めの対応が重要

 Aさんは1997年ころより、金銭管理ができなくなり、火の不始末も見られるようになった。その後、失禁や介護への抵抗、徘徊等も出現し、現在ADLは全介助状態で、意思疎通は困難である。2005年、脱水症で入院し、退院後、当院が往診を開始した。当時は、食事量の著明な減少による痩せが見られたが、その後栄養状態は改善している。当院では現在、2週間に1回の頻度で訪問診療を行っている。

 高齢のため、家族が自宅での生活を希望。症状に合わせた対症療法を主に考えている。今後については、家族とのすり合わせが必要であるが、家族は最期まで自宅で看取りたい意向のようである。

 最近1ヵ月の経過は、血圧は拡張期が50mmHgあたり、収縮期が90mmHgと低めに経過している。ある日の朝、38度の発熱があり、夕方に嘔吐、臨時往診をした。呼吸状態は問題なく、採血して抗生剤、消炎鎮痛剤等を処方し、経過観察とした。デイサービス利用時に、左上肢の浮腫、小水疱、仙骨部の床ずれが湿潤しているという指摘があり、軟膏等処方をしている。今後も、症状への早めの対応が必要である。

 便秘がひどいようなので、介護者が継続して対応していってほしい。元来Aさんは、丈夫な人だったと思われ、アリセプトや向精神薬など薬の効果も出ている。

 介護サービスを利用するうえでの留意点として、誤嚥には常に注意が必要である。介護への抵抗が強いときには無理をしないほうがいいだろう。臀部の皮膚観察にも注意を払っていってほしい。現状でのサービス利用はこのままでよいと思われる。ケアマネジャーには、本人のみならず、家族の介護負担や体調にも十分配慮するようにお願いしている。

静明館診療所
五十嵐 究

事例解説

大阪市立大学大学院教授 白澤 政和

 本事例は1997年ころに認知症が発症して以降、すでに十数年の在宅生活を支えている事例である。現時点では本人は長男夫婦と同居しており、長男夫婦の介護を主軸にしてさまざまな在宅サービスを利用している。ケアマネジャーは、認知症であるAさんを中心にして家族をも支援しながら、さまざまなサービスとの連携を図りつつ支援している事例である。

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