認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Spring

センター方式で互いの可能性をひらく(6)

「私」が主人公、シートで気づき介護と医療のチームが育つ

目が肥えケアの質が向上、チームケアの力も

 Aさんは認知症の発症から10年ほど経っていた。だが、不穏になることもなく、穏やかに在宅で一人暮らしが続けられた。「だんない、だんない」「親切な近所の人が助けてくれはるので助かっています。何にも困ってないわ」。これらの言葉がAさんの安らかな生活を物語っている。ホームヘルパーはシートから、Aさん自身が願う在宅で長く生活ができることに、介護者としての役割を改めて認識したのだった。

 「現場から出る声、情報は、ケアマネジャーにとっては宝ですね。ホームヘルパーさんは段々目が肥えてくるというか、シートに書き込むうちに、この人は何を見たらいいのか、今はここが大事だとか、技量が上がってくるのです。するとケアの質が上がってくる。センター方式は支援のためのツールですが、同時に教育ツールでもあります。Aさんを担当したホームヘルパーは、他の利用者に対してもやっぱり見てるところが違う」

 ホームヘルパーがシートを介して個々人も、そしてチームのケア力も高めていったと同時に、チームの構成員である家族もまた情報を共有する中で変わっていった。

 次男は週に1回程度訪ね、D-3を確認しAさんの状態を見ていく。以前は口寂しいだろうとバナナなど食べ物をよく買ってきたが、シート情報から間食して食事をとらないことがあることがわかり、「持って行かないほうがいいですね」と高木さんに申し出た。また、次男は仕事が多忙な中、自分のやるべきことが何かつかみかねていた。それもシートを見ていくうちに、求められる自身の役割を理解した。

 「男の自分に何ができるかわからず戸惑っていたが、自分は買い物や事務的な手続き、支払いなどをきちんとやればいいんですね」

 高木さんは、担当する多くの利用者にセンター方式を使っているが、これから特にA-4(私の支援マップシート)を充実させていきたいと思っている。地域の「“私”をとりまく支援者の輪」をもっと大きくしたいという。かかりつけ医に同行するときなどには、必ずシートを持っていく。医師にもシートは好評だ。「渡した時点で先生ももう輪の中、仲間の一員です」と高木さんは朗らかに笑った。

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