認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Summer

世界の認知症ケアの現状!

海外の状況を理解し、日本からアジアにつなぐケア

アジアにおける介護の現状
INDONESIA

ジャカルタの富裕層のみが入っている有料老人ホーム

有料老人ホームの厨房。広く清潔で調理員は5人いて、メニューも毎日工夫されていた

公営老人ホーム正面で記念写真

 アジアの国々は、これから高齢化の道をたどると予想されている。助川さんは、北欧などから先進的な介護を学びながら、アジア諸国の高齢者介護の現場にも何回も足を運び、アジアの中で最も早く超高齢社会に突入した日本として、他国にどう関わるかを模索している。

 現在、日本を上回る勢いで高齢化が進むシンガポールでは、医療システムはイギリスなどのシステムを取り入れて、ある程度のレベルを確保しているものの、介護に関してはレベルの格差が激しいという問題を抱えているという。

 シンガポールは全人口が少ないため、病院と介護の連携が非常にうまく取れているが、ケアの質においては、個別ケアを行う公的な施設がある一方で、当たり前のように身体拘束が行われている民間の有料老人ホームがあるなど、質の格差が著しい。

 一方で、「アジア諸国の中には、まだ高齢者介護というものが存在していないところもあります」と助川さん。戦前の日本のように、平均寿命が60歳そこそこで介護が必要になる前に、多くの人が病気で亡くなってしまう国もあるのだ。

 「そんな国のひとつ、インドネシアで日本の重介護の現場の写真を見せたら、ビックリされます。神に召されることは喜ばしいことなのに、と」

 医療技術が未発達なせいもあるが、宗教観の違いもあり、高濃度のケアには疑問をもたれる。このような国々では家族介護はあるが、いまだ高齢者介護という概念自体が存在しない。

 国によって課題はさまざまだが、今後アジア諸国で高齢化が進むことは明らかで、アジアの国々において将来的に介護が大きな問題となることは目に見えている。

 韓国では、08年に日本の介護保険制度に相当する高齢者長期療養保険制度が施行された。この2年半を検証すると、「日本とは異なりケアマネジメントが導入されておらず、提供されるサービスも少ないため、在宅でサービスがうまく配分されているとは言いがたい。むしろ、施設という選択肢が身近になったことにより、施設志向が強まっている」というのが、助川さんの見方だ。

 助川さんは、韓国の高齢者施設に「センター方式」を伝え、チームによる認知症ケアマネジメントの導入を試みている。

 「日本のセンター方式を、そのまま直訳して使ってもらっています。不穏でふるさとに帰ると言っていた女性が、センター方式でスタッフと信頼関係ができてきて、ニコニコしながら座っていられるようになったなど、効果が浮かび上がってきています」

 本人視点で考える「センター方式」は、どの国でも活用できることが実感できたという。

SINGAPORE

民間有料老人ホームの4人部屋。ほかに6人部屋もある

介護職が確認するために予定表が書かれたホワイトボード

民間有料老人ホームのトイレと洗面台およびシャワー

クリスチャンの団体が経営するSeoul Seobu Senior Care Centerの食堂。多くのボランティアが集う

韓国伝統の李朝家具が印象的な高齢者向けの居室

センター方式韓国版。この高齢者はシートの活用により症状が改善し、落ち着いて座っていられるようになった

KOREA

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