認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2011 Summer

センター方式で互いの可能性をひらく(7)

それまでの暮らしを大切にし、生き生きした活動の場を広げる

ホームでの新しいなじみの関係づくり

 新しい生活の場のホームでも、新たな人や場所との出会いがあり、関わりを深める支援が行われている。2週間に一度、行きつけの花屋へ行くのをAさんは楽しみにしている。花はAさんが「夏のきらめき」といったその日の生け花の題名に合わせて選ぶ。店の人はお茶やお菓子を出して、おまけもしてくれる。また、女性学級や園芸教室、避難訓練など近くの公民館の催しにも参加する。そういう場で地域の人に声を掛けてもらう。

 病院には週3回透析に通う。まる一日を過ごす場だから、看護師さんも支え手としていい関係をつくりたいと、連絡ノートを作って情報のやり取りをしている。「カンファレンスや家族との電話でのやり取りを重ねる中で、看護師さんが病院での様子を書いてくれて、『ご飯食べてますか』と聞いてくれたり。こちらも『メニューの勉強をしたいから献立表ください』とお願いしたり」(上野さん)。

 そういう中で、Aさんが「看護婦さん助けて」と叫び、辛そうだとの報告があった。ホームでは座っていることが多いと伝えると「では座って透析しましょう」ということになり、苦痛を和らげることができた。医療との関係づくりがこんな場面でも役立っている。

本人の変化と支援マップの変化

 「母の認知症が私たちが想像していたほど進行しないのも、やはり毎日の刺激があったから……」。家族の手紙にあるように、多くの関わりの中で生き生き暮らしてきたAさんだったが、5年目に入って「しんどい」と口にすることが多くなった。入浴や歩行に手助けが必要となり、要介護1から2になり、認知症も進行した(表)。

表 Aさんの状態 4年目〜5年目(要介護2・A2・Ua)2010年5月〜

 本人の変化に伴い、A-4の支援マップも微妙に変わってきた(図2)。

 自宅に帰るのを楽しみにしていたが、最近は「誰も待ってないけん、帰ってもつまらん」と言う。それでも夫の月命日は心が動いて、ホームから直接お墓参りに行く。近くのお寺参りもやめて、山や好きな花のある所へのドライブに変えた。傾聴ボランティアの来訪を喜び、「よう来てくれたね」という言葉が出てくるようになった。

 家族の関わり方も変わった。以前は長女がよく訪れていたが、夫の親の介護に忙しく、代わって孫夫婦がひ孫を連れて来るようになった。活動の場が次第に狭まり、軸足がホームに移ってきて、支え手も変わってきた。

 「それまで行っていた所に行けなくなったり、関係していた人との交流がもてなくなったりしてきたAさん。では、それに代わるものがあるのか、何かすればまたできるようになるのか、新たに支援マップを作る中で、これからどう支えていくか考えています」

図2 私の支援マップ(2011年)

歩行や入浴に手助けが必要になり、「しんどい」と口にすることが多くなった。こうしたAさんの変化に伴い、活動の場はグループホームを中心としたものに変わりつつある。自宅には帰らず、夫のお墓参りはホームから直接行っている。花屋への買い物、山や花のある所へのドライブ、傾聴ボランティアの訪問を楽しみにしている。家族も事情が変わり、長女に代わって孫夫婦が訪ねて来る。

「Dementia Support 2011 Summer」へ

ページトップへ

それまでの暮らしを大切にし、生き生きした活動の場を広げるページをご覧の皆様へ

エーザイのアルツハイマー型、レビー小体型認知症治療薬「アリセプト」のサイトです。
アルツハイマー型、レビー小体型認知症の患者様とそのご家族を支え、コミュニケーションをサポートするツールも掲載しています。