認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2012 Winter

マインドマップを活用した

「見える事例検討会」がスタート

参加者が一体化する“見える事例検討会”

 実際の「見える事例検討会」でのマインドマップの使い方を見てみた。

図1 「プロフィール」「生活」「経済」などのテンプレートを書いておく

 ホワイトボードにあらかじめテンプレートを描いておく(図1)。事例提供者が述べる本人情報を、ファシリテーター役の八森氏がテンプレートにある大枝の先に小枝をつくりながら情報のキーワードだけを記載していく。例えば、「生活」という大枝の先には「金銭管理」「掃除」「入浴」「食」「買い物」という小枝ができ、「食」という小枝にはさらに「食(食事)」と「料理」という二つの小枝に分かれるといった具合だ(図2)。

図2 情報を関連するブランチに小枝を伸ばし、その上にキーワードで記載する

 八森氏は時々、枝の少ない場所を指差しながら、「ここはどうなんだろう」と事例提供者や会場の参加者たちに問い掛ける。そのうち参加者から質問の声が上がったり、情報が出てくる。もちろん、それらもマップ上に書き込む。そうやって、すべての情報が一つのマインドマップの中に集積される(図3)。

図3 だんだん枝がホワイトボード一杯に広がっていく。カラフルな色も脳を刺激する

 見える事例検討会を実施して、それまでともっとも大きく変わったのが「議論が活性化したこと」と大友氏は強調する。

 「参加者には自分が得意なところとそうでないところがあります。例えば、ヘルパーさんであれば『生活』というブランチが得意なので、そこで知っている情報を言ってくれます。その情報をマップに加えていくので、自分の言ったことが採用されたという達成感があります。ほかにもたくさんブランチがあるので、多職種の人たちが発言でき、場が盛り上がります」(大友氏)

 場が盛り上がる背景にはもう一つ隠れた理由があると八森氏は言う。「事例シートが配布されていたら、皆さん、会の間中、おそらくそればかり見ていると思います。マインドマップの場合は、ファシリテーターがブランチを指差すので、皆さんの目線がそこに集まる。これが大きなポイントです。全員の意識が同じ話題に集中するので、皆で考えようという気持ちが生まれます。しかも、まとまった文章でなく単語で返せばいいので、口に出しやすい。だから、場が盛り上がるのだと思います」。

 また、八森氏は、皆から意見が出やすくするために、あえて簡単な事例提供にし、ブランチの少ない部分をつくっていると明かす。

 見える事例検討会に参加した人からは、「会の途中から参加しても、それまでの話の展開がすぐに把握できる」「支援する人のことが立体的に見える」「1ヵ月経ってもマップを見ただけで、どんな事例だったか思い出せる」などの感想が寄せられている。事例提供者からも、事例を客観的に見られ、自分の支援の不足している部分が参加者から指摘される前に自ら気付かされるので、支援に役立つと好評だ。

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