認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2012 Winter

認知症の人を支援するケアマネジメント

がん疾病を抱えるグループホーム利用者を医療との連携で支える

  • 【事例提供】四郷訪問看護ステーション 管理者 土田 淳子 四郷グループホーム 管理者 曽田 久美子
  • 【主治医のコメント】小山田記念温泉病院 神経内科 森 恵子
  • 【事例解説】桜美林大学大学院教授 白澤 政和
はじめに

 認知症の人の支援では、認知症ゆえに生じる病態に加えて、それ以外の病気を有している場合が多い。そのために認知症だけでなく、その他の病気に対する治療・処置についても、医療との連携を図るべくケアプランを作成し、支援していくことが大切である。

 同時に認知症については、投薬による薬物療法と合わせて、より適切なケアを提供することにより、安定した生活ができるよう支援していくことが重要である。特にBPSD(認知症の行動・心理症状)への対応においては、適切な薬剤の投薬と同時に、BPSDを生じさせている背景にある本人の思いや気持ちに気付くなかで、より適切なケアが実施されることが求められている。

 本事例は、認知症で顕著なBPSDを発現し、さらに皮膚がんという疾病を有している利用者に対して、グループホームスタッフが、訪問看護師や医療機関との連携を図りながら、それらをケアプランに反映し支援している事例である。

事例概要

四郷訪問看護ステーション 管理者 土田 淳子
四郷グループホーム 管理者 曽田 久美子

 Aさんは、独身で両親と同居しながら、デザインに関係する仕事をしていた。しかし、両親が死去し、退職後は、外に出ることも少なくなった。その上、数少ない友人も入院などで近くにいなくなってしまった。その後Aさんは猫と共に閉じこもる生活をしていた。やがて、猫の世話ができなくなり、ごみが捨てられないなど、自宅の環境が荒れ果てた状態となった。

 おそらくこのころから認知機能の低下が始まったと思われるが、家族がいないため誰からも支援を受けていない状況が続いた。さらにBPSDが発現し、近所の人に「2階に知らない人がいる」「服やカバンを知らない人が持って行く」といった妄想を訴えるようになる。本人の生活環境の乱れや妄想、攻撃的な発言などが顕著になってきたため、近所から苦情があり、民生委員を通じて在宅介護支援センターに相談が入り、介護保険の在宅サービスを受け始めた。しかし、本人の認知症症状は進行し、在宅サービスだけではBPSDへの対応は困難となり、グループホームへの入所に至った。

 Aさんはまた、皮膚がんを患っており、医療的ケアが不可欠であった。グループホームでは、医療との連携なしにはAさんの生活支援はできないと考え、定期的な受診とともに日常生活上でのケアの方法を指導してもらい、それを実践した。

Aさんのケース 80歳代 女性

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