認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

Dementia Support 2012 Winter

認知症の人を支援するケアマネジメント

がん疾病を抱えるグループホーム利用者を医療との連携で支える

援助経過(2/2)
3皮膚がんの悪化。医療との連携で継続的な支援が可能に

 09年ころより、皮膚がんが悪化。創部より出血や浸出液が見られたため受診し、進行状況の確認を行った。診断では、表面のみ状態が悪化しているとのことで、入浴後、処方された軟膏を塗布したガーゼを貼るという方法を指導され、その対応を実施していった。

 しかし1年後、急激に悪化し、創部のみでなく、周辺にも湿疹がでるようになり、本人からのかゆみの訴えも強くなってきた。かゆみに関しては主治医から内服を処方され、やや軽減した。しかし、創部に関してはさらに悪化し、主治医から創部の清潔な状態を維持することが大切であると指導を受けたため、訪問看護師に相談し、毎日シャワー浴をし、その後軟膏を塗布したガーゼを毎日貼り替えるといった対応をしている。状況にあまり変化がみられていない。しかし、定期的な受診とグループホームでの対応記録に基づく見守りを継続することで、本人は不安なく過ごせている。

主治医のコメント
内服治療とケアスタッフの働きとで安定を維持

 Aさんは一人暮らしであったため、なかなか認知症があることに気が付かれないまま過ごしてきたが、近所の人からの指摘で、2006年12月にホームヘルパーと共に神経内科を受診した。初診の段階で、長谷川式認知症スケールは30点中7点と、すでに認知症が進行した状態であった。07年4月より、私が担当医として関わることになった。

 作話がみられたが、ある程度のコミュニケーションは可能で、礼節もよく保たれていた。

 検査所見としては、頭部のMRI画像では中等度の脳萎縮が確認された。発症時期やこれまでの状況がよくわからず、診断は難しかったが、その時点で、アルツハイマー型認知症としてアリセプトの内服治療を開始した。

 既往歴として皮膚がんがあり、他院で内服による再発予防のための治療が続けられていた。幸い当病院にも皮膚科医が勤務しており、皮膚がんについても診療を継続することができた。

 臨床経過は、認知症については、好きだったおしゃれが徐々にできなくなるなど少しずつ進行がみられているが、BPSDに対しては、ほとんど内服を必要とすることもなく経過している。これはグループホームでのケアスタッフの働きが非常に大きいものと思う。

 皮膚がんについては、精密検査の結果、脳転移はないもののリンパ節転移があり、原発巣が潰瘍化するなど進行性である。皮膚がんの進行について本人は理解ができないため、引き続き不安や苦痛のないようにケアスタッフにも観察・対応をお願いしたいと思う。

小山田記念温泉病院 神経内科
森 恵子

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