認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

インタビュー

本人からのメッセージ

お医者さんには、私たちのそばにいつもいてくれるような存在であってほしい

佐藤雅彦さん

楽しいことを記録して前向きに生きています

──佐藤さんは51歳のときに認知症と診断されたそうですが、受診のきっかけは何だったのですか。

佐藤 もともとシステムエンジニアをしていたのですが多忙を極め、体調を崩したため事務職に配置転換となりました。その後、再び体調が悪くなり2年間休職したのち、配送係として復職しました。配送中に車を駐車した場所がわからなくなったり、納品場所を探すのに時間がかかるようになったりしたため、精神科を受診しました。その際に脳の萎縮がみられ、認知症と診断されました。その頃の私は認知症になったら何もわからなくなるというイメージをもっていたので、先生(医師)から認知症と告げられたときにはとてもショックで、何も質問することができませんでした。

──そうしたお気持ちをどのように乗り越えていかれたのでしょうか。

佐藤 認知症になったら記憶に障害が起きることがわかっていたので、自分の行動を毎日記録しはじめました。ところが最初は「お風呂に入るのを忘れた」「郵便物をどこに置いたかわからなくなった」などマイナスのことばかりを記録していたので、不安が不安を呼び、さらに落ち込んでしまいました。そこで楽しいことだけを記録することにしました。失った機能ではなく、残っている機能を大切にしようと考えたのです。それからですね、前向きに生きていけるようになったのは。

──佐藤さんをマイナス思考からプラス思考に変えさせたものは何でしょうか。

佐藤 私は事務職に配置転換になったとき、人生の目的を失いかけて、その答えを探し求める中でキリスト教と出会いました。『新約聖書』の中に、「神様は耐えることのできないような試練にあわせることはしない。試練とともに脱出の道も備えてくださる」という言葉があります。認知症という試練は私という人格を磨くために神様がくださったのだと確信するようになったことが大きかったと思います。

楽しみをたくさんつくる工夫をしています

──前向きに生きるためにどんな工夫をしていますか。

佐藤 日常生活の工夫としては、「火を使うときは他のことは絶対にしないで火のそばにいる」「食事前にインスリンを打つのを忘れないように携帯電話のアラーム機能で知らせる」といった工夫をしています。また、楽しみをたくさんつくる工夫もしています。
 私は音楽が大好きで、図書館から音楽CDを借りてきてパソコンに取り込み、その日の気分で好きな楽曲を聴いたり、讃美歌や歌を聴いたりします。もともとパソコンは会社で使っていましたのでなんとかできます。ちょっとトラブると立ち往生することもしばしばですが……。
 家のすぐそばにある荒川土手が私の散歩コースで、春は菜の花、秋はコスモスが咲きます。 そうした花々を見て、「ああ、きれいだな」と思ったとき、生きていると強く感じます。また、新宿御苑など美しい庭園を訪ねたり、若年性認知症の会の人たちと旅行したり、おいしいものを食べに行ったりするのも大きな楽しみです。

──“生きている”という充実感は、人間にとって大切なことですね。

佐藤 目標を立てて人生を前向きに歩もうと考えています。今年の目標は、毎日7,000歩を歩き、聖書を毎日20ページ読んで1年間で2度通読することです。毎日実践し、歩数などはパソコンに記録しています。以前、旧約聖書1,500ページを1カ月で読み終えることを目標にしましたが、それを達成したときは、大きな充実感、満足感が得られ、“生きている”と実感しました。

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