認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

本人視点からアリセプト®を再考する アリセプト®の投与意義

ドネペジル塩酸塩の効果をどうみるか?

◎症例2(図2)
74歳 女性 高等女学校卒 茶道教師
 娘の話では、温厚な性格で25年以上にわたり茶道教室を開いていたが、2009年10月頃から生徒の月謝が管理できなくなり、買い物に行くといつも1万円札でお釣りをもらうようになり、食事の支度もできなくなった。娘に指摘されると「度忘れしただけよ、あんたなんかよりキャリアは長いんだから!」と大声をあげることも度々あり、「お医者さんに診てもらいましょう」と言うと「絶対いやだ」と拒否し続けていた。2011年になって茶会に出席する際電車で目的地に行こうとしたが迷子になったことから、2011年8月初診。
 初診時MMSE15点、ADAS-Jcog.22.3点、終始「娘が私を病人にして、教室を乗っ取るつもりだ」と言い続ける。Behavioral Pathological in Alzheimer's Disease(Behave-AD)は妄想概念、攻撃性に点数が高く、被害妄想を伴う中等度ADと診断、ドネペジル塩酸塩を開始した。5mg開始後1カ月頃から攻撃的な言葉が減少し、自分から娘に「教室を手伝ってくれるかい?」などの発言があり、娘との関係も良好となる。
 3カ月後のMMSE19点、ADAS-Jcog.11.0点と著明な改善を認め、Behave-ADでも妄想概念、攻撃性が改善した。

図2 症例2

◎症例3(図3)
77歳 男性 大学卒 会計事務所経営
 2008年3月、顧客とのトラブルを契機に不眠が続くようになる。好きだったゴルフにも行かなくなりメンタルクリニックを受診、「うつ状態」との診断で抗うつ薬を開始される。5月頃から電話の内容を時々忘れることがあり、日付があやふやになる。
 仕事でも計算を度々間違えるなどの症状が出現、2011年7月初診。
 初診時MMSE17点、ADAS-Jcog.19.3点、頭部MRIに明らかな異常はみられず軽度ADと診断、しかしInstrumental Activities of Daily Living(IADL)は3点であった。
 抗うつ薬を中止しドネペジル塩酸塩を開始、また息子が主な仕事をするようになり、娘は毎週実家を訪れ本人との会話を増やすなどしたところ、5mg投与1カ月頃から日付を間違わなくなり、家族で行ったゴルフでも状況を正確に説明できるようになった。
 約3カ月後のMMSEは19点、ADAS-Jcog.16点、6カ月後のMMSE20点、ADAS-Jcog.は14.3点でIADLは5点に改善した。

図3 症例3

まとめ

 ドネペジル塩酸塩はアセチルコリン系賦活作用による記憶、学習機能の改善を期待して開発されたものであるが、提示した症例のように行動障害、日常生活動作の改善も少なからずみられている。周辺症状を伴うAD患者に対する介護負担がドネペジル塩酸塩投与により有意に軽減されたとの報告からも、認知機能全般に有用である可能性が示唆される。
 昨年末には30社よりジェネリック薬品も発売され経済的負担も軽減されたことにより、施設入所者への投薬も広がると思われる。
 最後にある家族の言葉を紹介させていただく。「母は、薬を飲んでいても全然よくなっていないと言っていますが、私には電話で話す父が何かはっきりしてきたような気がしていたのです。このグラフを見せていただいて、この薬の効果が納得できました。アルツハイマー病と言われて絶望的になっていましたが、これからの介護に少し希望が持てそうです」

認知症新時代への挑戦トップへ

ページトップへ

ドネペジル塩酸塩の効果をどうみるか?ページをご覧の皆様へ

エーザイのアルツハイマー型、レビー小体型認知症治療薬「アリセプト」のサイトです。
アルツハイマー型、レビー小体型認知症の患者様とそのご家族を支え、コミュニケーションをサポートするツールも掲載しています。