認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

本人視点からアリセプト®を再考する アリセプト®の投与意義

認知症治療の真のエンドポイントを考える

実臨床においてドネペジルがアルツハイマー型認知症の人とその介護者のQOLにもたらす効果

1)調査研究の概要
 14週間の前向きコホート研究で、医療および介護的介入を一切統制しない観察研究とした(図2)。対象は、DSM-IVによりアルツハイマー型認知症と診断され、調査への同意が得られた認知症の人(以下、本人)およびその介護者148組のうち、後述する条件群に該当した107組であった。
 倫理的配慮からあらかじめ群の割り付けを行わず、調査期間終了後にドネペジルの服薬状況について基準を設定し、以下の条件群を定義した。

  1. (1)ドネペジル新規服薬群:一次調査時に初めてドネペジルが処方され、調査期間中に服薬が継続された群。
  2. (2)ドネペジル継続服薬群:一次調査時にすでに前医処方によるドネペジルの服薬があり、かつ調査期間中に服薬が継続された群。
  3. (3)ドネペジル未服薬群:一次調査時以前にドネペジルの服薬がなく、かつ調査期間中に服薬がなかった群。

 本研究は、特定非営利活動法人(NPO法人)脳神経疾患地域医療福祉研究機構を主体として実施された。その実施にあたっては、ヘルシンキ宣言の精神を尊重し、疫学研究に関する倫理指針(平成19年8月16日全部改正および平成20年12月1日一部改正)を遵守した。また、個人情報保護法に基づき本調査に係る個人情報の安全管理を十分に図った。

図2 調査スケジュールおよび服薬条件群の内訳

2)結果:QOL効用値の変化
 本稿では、主たるアウトカム指標であるEQ-5DによるQOL効用値にのみ言及する(図3)。
 一次調査時と二次調査時における効用値の変化については、新規服薬群において本人で0.122、介護者で0.104と双方で統計的に有意な向上が認められた。また、継続服薬群において本人で0.076という有意な向上が認められた。一方、未服薬群において介護者で-0.094と有意な低下が認められた。
 群間比較については、本人と介護者の効用値は、新規服薬群ならびに継続服薬群ともに、未服薬群に比して有意に改善したといえる結果であった。
 以上の結果は、ドネペジル新規服薬群において、ドネペジル服薬がその後の本人および介護者双方のQOLの向上に役立つこと、またこの効果は継続服薬群においても続くことを示唆するものと考えられた。他方、未服薬群で認められた効用値の有意な悪化については、医療的介入においてドネペジルの処方行為が本人と介護者の負担軽減に資する可能性があること、逆に処方できない状況ではこの負担軽減の可能性に浴することができず苦慮するさまを反映したものと考えられた。

図3 各服薬条件群におけるQOL効用値の平均変化量

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