認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

これからの認知症で果たすべき役割

抗認知症薬の服薬継続の意義と薬剤師の役割

愛知学院大学薬学部 臨床薬剤学講座教授 山村恵子

服薬継続率の向上を目指す

 クリスティーヌ・ボンドは、『なぜ、患者は薬を飲まないのか?』の著書の中で、薬が処方されたときは薬剤師が患者の服薬をサポートする大きなチャンスと述べている1)
 服薬継続率を向上させるためには、薬剤師の重要な役割として、患者および家族に服薬の意義をしっかり説明することに加えて、抗認知症薬の共通した特徴である投与開始初期および用量増加時の副作用の予兆と対処方法を理解していただくことである。

ドネペジル塩酸塩の服薬継続率および服薬中止の理由

 服薬の目的は患者の生活の質の向上が第一である。薬局で家族の方に薬の効果をお聞きすると、患者自身のやる気が出て、図書館やデパートに通い始めるようになり、家族とのコミュニケーションが円滑になったと喜ばれることも多く経験する。
 一方で、ドネペジル塩酸塩の服薬を途中で中断してしまう患者が多くいることも事実である。梅垣らの研究では、名古屋大学医学部附属病院老年内科にてドネペジル塩酸塩が開始となった患者の1年間の服薬継続率について調査を行ったところ、全体で52.7%の患者が1年後には服薬できていないことを報告している2)
 認知症重症度Clinical Dementia Rating(CDR)別に見た服薬中止の理由では、CDR0.5の軽度のアルツハイマー病(AD)患者では、全員が消化器症状の副作用の出現を理由に、服薬を早期に中止していた。本来であれば、長期の治療効果を得る上で、軽度のADの段階から服用を開始し継続することが重要であるが、CDR0.5の段階では日常生活を行う上での不自由さがないためか、消化器症状の副作用の出現が服薬の中止に繋がっていたと考えられる。
 一方、CDRが高くなるに従い、無効を理由に中止の割合が著しく増加していた。CDRの高い、高度のAD患者ほど有意に服薬継続率が低下するなど、治療をあきらめてしまっている可能性がある。実際、薬局では、患者および家族が認知症の改善を期待するあまり、症状の改善が見られない、介護負担が減らないなどの効果に対する疑問から服薬アドヒアランスが低下し、治療継続を困難にしている実態を目の当たりにすることがある。

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