認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

これからの認知症で果たすべき役割

抗認知症薬の服薬継続の意義と薬剤師の役割

服薬継続のための説明ポイント3)

(1)薬効と副作用
 患者や家族には、有効用量を服薬開始後、効果が出るまでに約3カ月かかること、すぐには効果が現れないこと、また、効かないからといって勝手に止めてしまうことがないように、あくまでも、症状の進行を遅らせる薬であり、根本的な治療薬ではないことを説明し、理解していただくことが大切である。
 副作用の出現が原因で服薬を早期に中止している現状を回避するためには、副作用の発現しやすい投与開始時期および有効用量へ増量する時期に、副作用の予兆と対処方法について服薬指導を行うことがポイントである。説明時には患者の副作用症状の確認とともに、薬物療法への不安を傾聴し、生活背景に考慮した情報提供を親身になって行うことが、服薬アドヒアランスの向上に繋がる。
 現在、名古屋大学医学部附属病院薬剤部の薬剤師外来教室では、服薬指導の際に、わかりやすく工夫した図を活用している(図1)。薬剤師外来教室で使用しているテキストは、誰でもダウンロードが可能である(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/pharmacy/03/textbook/textbook.pdf)。

図1

(2)服薬管理
 認知機能障害のスクリーニング検査のMini-Mental State Examination(MMSE)が20点以下の場合、自己管理する判断能力が低下している可能性が高く、服薬自己管理が困難になるケースが多くあり、家族や介護者の助けが必要となる。来局時には必ず確認したい事項である。

(3)患者に適した剤形の選択
 AD患者は、症状の進行に伴い、嚥下機能の低下から飲みにくいなど、服薬を拒否することも少なくないため、服薬を継続する上で、家族から患者に適した剤形のアドバイスを求められることがある。
 ドネペジル塩酸塩・ガランタミン臭化水素酸塩は、錠剤の他に、口腔内崩壊錠や内用液などの剤形の選択が可能である。さらに、ドネペジル塩酸塩にはゼリー剤があり、服薬を拒否する患者には“おやつ”として目先を変えることもできる。メマンチン塩酸塩は、やや味に苦味があるものの簡易懸濁法での対応が可能である。また、消化器症状の出現など経口摂取が不安定・困難な場合や、介護者の服薬管理の面で問題がある場合には唯一の貼付製剤である、リバスチグミンパッチの使用も有用である。薬剤毎の製剤特徴を把握して、服薬継続に繋げる適切なアドバイスをすることも薬剤師の役割である。

(4)服用時間
 すべての抗認知症薬において、食事による吸収への影響がないため、患者のライフスタイルに合わせて服薬しやすい時間、もしくは介護者の介護時間に合わせた服用時間を一緒に考えることが大切である。

(5)飲み忘れ時の対応
1)ドネペジル塩酸塩・メマンチン塩酸塩(1日1回服用)
 血中半減期(ドネペジル塩酸塩:76〜89時間、メマンチン塩酸塩:55〜71時間)が長いため、1日程度の服薬の中断は効果に影響がない。服用の有無が不明の際には、翌日より用法・用量通り服用すること、決して2日分服用しないよう説明する。
2)ガランタミン臭化水素酸塩(1日2回服用)
 血中半減期が8〜9時間と短いため、飲み忘れに気づいた際は、できるだけ早く1回分を服用するよう説明する。服用の有無が不明な場合や、次に服用する時間が5時間以内の場合には服用せず、次の服用時間から1回分を服用すること、決して2日分服用しないよう説明する。
3)リバスチグミンパッチ(1日1回貼付)
 血中半減期が3時間と短いため、貼付忘れに気づいた際には、できるだけ早く1日分を貼付するよう説明する。また、翌日より通常の貼付時間に戻し貼付すること、決して2日分を貼付しないよう説明する。

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