認知症いろいろ たしかめてください、患者さんの「認知機能」

認知症特集

これからの認知症で果たすべき役割

高齢者にやさしい剤形選択

高齢者にやさしい口腔内崩壊錠

 OD錠は嚥下能力が正常な高齢者に対してもやさしい剤形なのだろうか。われわれの研究において、嚥下障害のない高齢者(平均年齢78.7歳)86人に、製造方法の異なる2社(A社(崩壊時間30秒)、B社(崩壊時間15秒))の13mmプラセボOD錠を服用してもらった5)。A社で82%、B社で90%の人が「楽に飲める」と回答し、飲めなかったのはA社2人のみであった。13mmを服用できた84人にA社15mmプラセボOD錠を服用してもらったところ、全員が服用でき、79%は「楽に飲める」とした(図1)。普通錠であればあり得ない13mm、15mmという大きさであっても、OD錠であれば問題なく服用できた。つまり、OD錠は嚥下障害のない高齢者においても服用しやすい剤形であり、すべての高齢者にやさしい剤形であることが示された。なお、服用できなかった2人は、“崩壊しきらない場合には服用しない”という倫理委員会の承認条件により服用しなかったが、崩壊させる時間を延ばせば服用可能であった。

図1 プラセボ口腔内崩壊錠の飲みやすさの違い

口腔内崩壊錠の服用方法

 OD錠の特徴として、水なしで唾液で服用できることが強調されるが、患者はOD錠をどのようにして服用しているだろうか。上杉らは、88%の患者がOD錠をいつも水と一緒に服用していると報告しており、その理由は「今までの習慣から」45%、「他の薬が水を必要とするから」37%であった6)。弓削らの報告においても消化性潰瘍薬は91%、糖尿病薬は68%が水と一緒に服用しており、その理由も同様であった7)。このようにOD錠は唾液で服用できるというセールスポイントとは裏腹に、実際には水で服用している患者が圧倒的に多い。口腔内崩壊錠試験器OD-mate®を用いたわれわれの研究において、OD錠を水で服用した場合と口腔内で崩壊した場合を想定して両方の崩壊時間を比較したところ、水で服用することを想定した場合の方が崩壊時間は早くなり、服用性が向上することが想定できた(図28))。

図2 崩壊時間に及ぼす服用方法の影響(OD-mate法)

早く崩壊すれば、どの口腔内崩壊錠でも服用性は同じか

 では、OD錠であれば服用性はどの製品でも一緒なのだろうか。われわれはクリープメータを用いてファモチジン含有速崩壊性錠剤6製品の崩壊パターンを比較した。クリープメータは破断強度、付着性、凝集性および粘弾性などの物性が評価できる試験器である。通常の錠剤と同じ製法で製造される一般錠型4種類(A、B、C、D)と濡れた粉末を打錠した後に乾燥させる湿製錠型2種類(E、F)を用いてそれぞれの崩壊パターンを測定すると、人口唾液の量や錠剤にかける荷重の強さにより、崩壊パターンが異なることが示された(図3)。荷重の強さは、舌と上顎へOD錠を押し付ける舌力を表す。Aでは、荷重の条件により崩壊開始時間が異なる、B、C、Dは赤の点線のグラフのように舌圧が弱い人や唾液量の少ない人を想定した条件ではOD錠は崩壊しない、湿製錠型のEとFはどのような条件でも速やかに崩壊する。
 OD錠はその製法により崩壊パターンが異なることが明確になった。一般錠型に比べ湿製錠型は、唾液量や舌圧などの影響を受けにくいと考えられ、どのような条件でも崩壊開始時間が早く、崩壊に要する時間も短いことが示された8)

図3 崩壊パターンに及ぼす人口唾液量と荷重の影響(クリープメータ法)

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